新築か、中古物件か その2

前回は新築のメリット・デメリットを考えてみました。

今回は、通常は同じ新築ですが、建売住宅について考えてみます(ここでは新築の建売物件について主に取り上げます)。

まず、新築とは、築後1年以内で、未入居の物件のことをいいます(品確法2条)。1年を超えれば新築表示はできなくなりますし、1年以内でも一度でも入居されていれば中古扱いになります。

 

建売住宅のメリット


 

①新築物件に比べて価格が安い

建売住宅は、新築と違い、ハウスメーカー等によって既に建築済みのものを販売するものです。必ずしもそうとはいえませんが、同じ仕様の家を複数建築することも多いため、建材や住宅設備が割安で手に入ることもあります。また、よく知られた話ですが、モデルルームとして用いていたものを販売することも多いため、その分安く販売することもできることもあります。この場合でも、住宅として人が入居したわけではないため、築1年以内であれば新築として表示できるということになります。

 

②住宅設備は建築業者が必要十分と考えているランクのものがついている

建売住宅の住宅設備は建築業者が選択したものが備え付けられています。つまり、言い方を変えれば、建築業者がコストパフォーマンスを加味して必要十分と考えるものがついている可能性が高いということです。特に住宅設備にこだわりがないのであれば、「住む」事に対して特に大きな不満を持つことはないと思います。

 

③購入前に住環境や住宅そのものを確認できる

中古物件とも共通しますが、すでに建物があるため、建物を確認することもできますし、また、住環境が実際にどのようになっているかを確認することができます。

 

④ローンや税制面での有利

新築の建売住宅の場合、「新築」には変わりないため、中古よりもローンや税制面で有利になることは変わらないと考えられます。

 

⑤メンテナンス不要、住み始めるまでのタイムラグがない

新築の建売住宅は建築されて間もないため、基本的に住宅のメンテナンスは不要です。また、新築表示ができないものであっても、基本的には築浅であるため、やはりメンテナンスは不要です。中古物件にはある懸念材料は、建売住宅にはほとんどないと考えてよいと思います。

また、すでに建てられているため、契約・決済後すぐに住み始めることができます。

 

建売物件のデメリット


 

①自分のこだわりはほとんど反映されない

しつこいようですが、すでに建てられており、しかもそのまま居住することが通常であるため、備え付けられた住宅設備、間取り、付帯設備をそのまま使用することになります。新築物件とは違い、自分のこだわりの機能やデザイン・間取りの物件に住むには、「それを備えた物件を探す」しかないことになります。

また住宅設備も設置済みなので、変更することはできるとしても通常別途費用が必要になることが多いでしょう。

 

②不動産仲介手数料がかかる(仲介を依頼した場合)

建売住宅は、既に建築済みの「不動産」を購入するものです。建売住宅の売買について不動産業者に仲介を依頼した場合には、仲介手数料が発生します。新築編にも書いた通り、仲介手数料の簡易計算式は【売買価格×3%+6万円に消費税8%】ですので、中古物件よりも仲介手数料が割高になります。

 

③ローン負担が大きい

やはり新築である以上この点は避けられないでしょう。

 

④個性が出にくい

前述のとおり、似たような建物を複数建てて相場よりも安く売る手法もありますので、その場合には、隣近所一帯がほとんど同じ建物だという現象があり得ます。

 

 

以上のように、建売物件は、新築と中古物件のいいとこどりのように思えます。

ただ、せっかく新築の建物を購入するのに、自信のニーズに合致するとはいいきれないため、その点をどう考えるかによると思います。そんなの気にしないし安く手に入るんだからいいというのであれば建売はとても魅力的ですし、やはり自分の好みにあった物件を納得して建てたいというのであれば建売は選択肢から外れることになると思います。

その3につづく


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