新築か、中古物件か その1

新しい住まいを検討されている方の中で、きっと多いと思うのが、新築にするか、中古にするかということです。

それはもちろん、買うのであれば新築がいいでしょう…と思うかもしれませんが、そうはいっても不動産・建物の購入は一生で一番大きな買い物である人が多いはずです。そこで考えなければいけないのが予算との兼ね合い。

そう、やはり財布との相談なしに買い物はできないのです。

そこで、一戸建ての新築・中古の善し悪しと、それをもとにどう考えたらよいのかというのをご紹介できればと思います。あくまで担当者の個人的な意見ですので、ご参考程度にしていただければと思います(全てを網羅しているわけではありませんし、苦情には応じません笑)。

 

新築のメリット


 

①自分好みの建物を1から創れる

新築、特に注文住宅は、間取り、広さ、配置、色、設備、デザイン等を自分の好きなようにすることができます。一生で一番大きな買い物ですから、やはり自分で納得したものを納得できるように作り上げたい、そこに住みたいと考えるのが人間の情というものです。

設計士や建築業者と綿密な打ち合わせをして、予算の中で自分の納得のいく個性的な住宅を建てられるのは新築住宅の大きなメリットです。

その点で、新築とはいっても、すでに出来上がってしまっているものを購入する建売住宅は、新築のメリットにあずかれないということになります。

 

②最新の設備、耐久性、安心感、メンテナンス不要

経験上、デザイン性に凝るよりも、住宅設備のランクを上げる方が住人の満足度は高い傾向にあります。例えばトイレ。ドアを開けた途端に、便座のふたが自動的に開く製品は今ではよく見かけますが、担当が初めて見たときにはテンションが上がってしまいました(笑)その当時の最新設備をそろえるのか、それともジェネリックで予算を抑えて、ほかのところに予算をまわすのか、それも人それぞれです。

このように、住宅設備ひとつとっても、自分のこだわりの機能を兼ねそろえる方もいれば、そこはそんなに気にしない…って方もいると思います。中古物件や建売物件は住宅設備が既に設置されておりますので、自分のこだわりを貫くためには別途費用が必要になります。

また、住宅建築の理論や技術も年々向上していますから、耐久性・耐震性といった面でも中古住宅より安心できることがあげられるでしょう。さらに、当然ですが、メンテナンスが必要ありません。

 

③不動産仲介手数料が抑えられる

不動産の購入には、通常、不動産業者に仲介を依頼します(新築の場合にも土地が必要)、不動産業者に支払うべき仲介手数料の簡易的な計算式は、【(不動産の売買価格×3%+6万円)×1.08(消費税)】です。

たとえば、予算3000万円で、住宅を購入したいときを考えてみます。

新築の場合、不動産の購入は通常土地のみです。1000万円の土地を購入した場合、仲介手数料は約39万円となります。当然、その土地に2000万円の土地を建築しても建物について仲介手数料はかかりません(もちろん、すでに土地を所有している方は、仲介手数料が一切かからないことになります)。

他方、3000万円の建物付土地を購入した場合、その仲介手数料は約104万円です。その差は約65万円。後に挙げる中古住宅のデメリットを考えると、その額は結構大きいものになります。

ちなみに、65万円あればキッチンとシステムバスの両方をランクアップすることも可能です(場合によりますが)

 

④ローンや減税制度で有利

どこでどのようなプランを立てるかにもよりますが、新築の方が中古よりも長い期間でローンを組むことができるのが一般的です。国土交通省の調査によれば、新築の平均返済期間は29年、中古だと23年です。どう考えるかはライフプランにより変わってくるでしょう。

また、住宅ローン減税等についても、新築は79.3%、中古だと55.0%が適用を受けています(国土交通省調べ)。ただし、同減税制度は、築年数や耐震基準の要件を満たす必要がありますので、すべての中古物件に適用できるわけではありません。

 

⑤いざというときの保証

もし手抜き工事があった場合や、手抜きではないとしても、強度計算のミス、施工ミス等によって、建物に表面上は発見できないような欠陥(瑕疵といいます)があった場合。中古物件は売主が個人であることが多いため、十分な保証が受けられないことがあります。

しかし、新築は、建築業者が責任を負っており、また、住宅瑕疵担保履行法により建築業者は新築の毎に保険への加入か保証金の供託が義務付けられていますので、万が一の時も安心です。

 

新築のデメリット


 

①購入価格が中古に比べ割高

やはりここが一番のネックでしょう。新築をすれば建物だけでも最低でも1500万円くらいはかかってしまいますから、予算の都合上これをあきらめざるを得ないことになる場合もあると思います。ただし、後にも書きますが、中古物件は築年数が大きい物件がほとんどです。その場合、安心して住むためには、大幅な修繕・メンテナンスが必要になる場合も多々あります。それを考えたとき、相対的に差はほとんどないと思います。

 

②ローン負担が大きい

これも金額が大きい分仕方ありません。

 

③購入から実際住み始めるまでのタイムラグ

木造の場合、着工から完成までおおよそ3~4ヶ月くらいは時間がかかります。そのため、土地の売買契約後、実際に住むことができるまで、長ければ半年ほどずれ込んでしまうことが考えられます。

ただし、中古物件を修繕する場合にも同様のタイムラグが生じてしまいます。

 

 

今回は新築のメリット・デメリットについて書いてみました。次回は建売物件のメリット・デメリットについて考えてみます。

その2につづく


Top