外壁・屋根リフォームってどうして必要?

雨が多い時期に増えるのが雨漏りのご相談です。雨漏りしている時点で、建物の寿命が短くなる可能性が高く、補修費用も大きくなりがちです。
大角建設でも雨漏りの改修工事をいくつも施工していますが、雨漏りの原因の多くは施工業者の手抜きや施工ミスと外壁メンテナンスを行わないからです。
つまりどういうことかご説明します。

木造建物の外壁構造はごく単純化すると外から

外壁材 (サイディング等)→ 通気胴縁(工法によっては通気金具) → 透湿防水シート

により構成されています(※工法によって多少の違いはあります)。

 

外壁+透湿防水シートで雨水侵入を防ぐ

外壁材は建物の躯体部分(柱や壁)に直接雨水が当たらないようにするためのもので、まずはここで大半の雨水の侵入を防いでいます。
外壁材で侵入を抑えられなかったとしても、透湿防水シートが建物の内部に雨水が侵入しないように防いでいます。
透湿防水シートはゴアテックスのようなもので、建物の内部の湿気を外に通しながら外部からの水は通さない優れものです。
しかし、この透湿シートも完全ではなく、基本的に上から下に流れる雨水を想定しているため、風邪で巻き上げられた雨水が下から上に上がってきた場合や、釘の打ち付け部などの小さな穴、施工の不備できちんと処理されていなかった場合などは透湿防水シートで抑えきれずに内部に侵入していきます。

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※透湿防水シートの施工不備の例

 

外壁材を守る塗装の劣化≒外壁材の劣化

このように外壁は、複層的に建物内部への水の侵入を防いでいますが、一番劣化しやすいのは当然外壁材(およびその目地を埋めるコーキング)。
通常、外壁材には塗装がされ、外壁材自体が劣化することを防いでいるため、塗装が劣化し、その性能を発揮できなくなることは外壁材の劣化に直結します。
外壁材の劣化は内部への雨水の侵入可能性が飛躍的に上がることを意味し、雨漏りの原因になったり、柱や壁などの躯体部分を腐食させる原因となります。
柱や壁にまで劣化が回ると、当然建物の寿命を短くし、その補修費用は外壁のメンテナンスの比ではありません。

つまり、建物を日光や雨水から守る外壁材の劣化を防ぐことが、建物の寿命を長くする秘訣であり、そのために外壁の塗装を塗り替える、これが一番安価に済む外壁のメンテナンスです。
(屋根の構造も基本的には同様と考えてよく、経済的効率性を考えて、外壁と屋根を同時に行うことをおすすめします。)
外壁塗装のメンテナンスは通常10~15年に一度が目安です。
外壁塗装の劣化を放置すれば、取り換える箇所、修理する箇所、材料、手間が増えていくので、当然、外壁の塗り替えるだけの工事よりも工事費は高額になっていきます。
だからこそ、外壁塗装が劣化し始めたら、「なるべく早期に」塗り替えることが大事です。
虫歯の治療をほっとくと痛いのと同じです。

外壁塗装の劣化のサイン

①塗装色の退色、色むら
塗装の色が薄くなってきたり、ムラがあったりしてくると、塗装が寿命を迎えつつあることを示しています。
そろそろ塗装しなおしましょう、というサインの一つです。
※上写真は②の白亜化まで進んでいます。

②白亜化(チョーキング)現象
塗装の劣化が進むと、手で触れた時などに白く粉がつくようになります。これを白亜化(チョーキング)現象といいます。
日光に含まれる紫外線により合成樹脂が分解され、顔料が粉状になって表れたものです。
この現象は、塗装性能の著しい低下を意味し、カビやコケの原因となるだけでなく、外壁材の劣化につながりかねません。

③カビ・コケの発生
外壁材にカビ・コケが発生しているということは、そこに水がとどまっていることを意味しますので、外壁材の防水性能が失われていることを意味します。
外壁材が直接雨水と日光にさらされているため、外壁材の劣化が始まります。

④コーキングのひび割れ
外壁材の目地を埋めるためのコーキングがひび割れている場合、もうすでにそこから雨水の侵入が始まっている可能性が高いです。
通常は透湿防水シートで止まっている可能性が高いですが、だからといって放置できる状態ではなくなりつつあります。
⑤外壁材の破損(ひび割れ)、反り
外壁材の劣化が進み、ついにひび割れや反りが発生すると、そこから雨水が侵入している可能性が高いです。透湿防水シートで止まっているのが通常ですが、やはり完全ではありませんので早急な対処が必要です。
また、外壁材自体が破損しているので、早期のひび割れであればコーキング等での補修も可能な場合がありますが、サイディングの張替え等が必要になる場合があります。
この場合、当然塗り替え工事よりも費用は高くなります。
⑥雨漏りの発生
雨漏りはいうまでもなくすでに建物内部に雨水が侵入していることを意味します。放置すれば躯体の腐食が始まり、耐震性・耐久性の低下をもたらします。
躯体が腐食していれば、当然交換等の工事が必要になりますが、どこまで補修しなければいけないかは、開けてみないとわからない場合もあり、工事費用も高額になっていきます。

 雨水の侵入を防ぎぎれなかった場合…

上記の通り、雨水の侵入を防ぎぎれずに建物内部に侵入すると、雨漏りや躯体の腐食の原因になります。
外壁材で雨水の侵入を防ぎきれず、通気胴縁が腐っています。
透湿防水シートで止まっているのでこれだけで済みましたが、これが柱だとしたらぞっとします。
これは破風板・鼻隠しの劣化で屋根の内部に水が入ってしまい、屋根を構成する軒天の下地がボロボロになった写真です。
軒天だけでなく、小屋束、垂木といった屋根を構成する躯体部分も腐食していて、補修範囲が広がりました。
窓枠が破損してそこから内部に雨水が侵入してしまった例です。
ボードがかびていますが、クロスをはがすまでカビ存在に気づきませんでした。
建物の耐久性等もそうですが、健康被害も懸念されます。

なるべく早期に、適切な補修を

外壁メンテナンスは、建物が発しているサインを見逃さずに、なるべく早期に適切な補修を行うことで建物の寿命を延ばすだけでなく、工事費を抑えることができます。
ノーメンテナンスで一生を終えられる建物はありません
ただし、プロでなければわからないこと、たくさんあると思います。悪徳業者に不必要な工事までさせられるケースもあります。
建設の資格者だけでなく、FP、法務博士、行政書士有資格者の在籍する弊社に、一度ご相談してみませんか?


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